総長からの「愛してる」Ⅱ
そして、鳥遊悠希に駆け寄る鳳凰8代目の正式な総長……神大晃輝に告げる。
「鳳凰総長として、異存はねぇか?」
神大晃輝は、俺を見上げて笑った。
とても負けた側だとは思えない、吹っ切れたような清々しい顔だ。
「負けたよ、俺たちは。」
その言葉を、鳳凰の中で否定する者はいなかった。
……いや、むしろ誰もがホッとしたような表情をしていた。
きっと、鳳凰は全員が苦しんでたんだろう。
この1年、誰もが心の中に燻って (くすぶって) いた怒りや悲しみ、苦しみ、痛み。
そんな辛さをこの場でやっと解放できたんだろう。