【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
ジリリリリリリリリリリと、ドン*サンタの部屋の黒電話が着信のお知らせを伝えた。
「はい、こちらサンタクロース振興協会会長の...」
今までの声とはうらはらに、よそ行き声に早変わりさせた。
「......ええ。...それは...その、大変申し訳ございませ...いえいえ、そんなことは...はい、はい。それはもうその...」
「どうしました?」
スイスサンタが心配そうに顔をのぞき込んだ。
「......大仏友の会からのクレームだよ」
「あぁ、クレームがきちゃいましたか」
「あんだけ派手にやってくれりゃぁ、そりゃ来るだろうよ」
「あいつら帰ってきたらただじゃぁおかねー」
ドン*サンタは指をバキバキと派手に鳴らした。
ドン*サンタを怒らせたということに全くもって気付いていない二人は、処理しきれなかった儚い夢を乗せたまま帰路についた。