素晴らしき今日
日ハ昇ル
ガヤガヤざわめく人ごみも、クラクションを鳴らし排気ガスをボカボカ吐き出す車も、太陽の熱を反射する大きなビルも、この世界に存在しないかのように静かな世界に僕はいる。
周りでは木々が噂話を絶やさず、ガサガサ、サヤサヤと隣の木から隣の木へ、まるで伝言ゲームをするかのように葉をこすれ合わせる。
そんな心地よい音が耳をくすぐる。
ここは森の中。どこって訊かれても答える事は出来ない。ただ静けさを求めて彷徨った僕が最後に行き着いた場所。心が求めた場所だった。

立ったまま小さな雫が落ちる。何が悲しいかわからないくらい涙をあちこちに落としてきた。
ここでも跡を残す。

言葉などもう出ない。何を、どのように言葉にするのかがわからない。
騒がしい世界ではテレビのような偽りの笑顔をするだけで疲れた。
余計な事を考えられないくらいに、でも考えないから溜め込みすぎて、静かな世界に来ると、爆発するのだろう。


また涙を零した。これは、僕の記憶を掘り当てた。


いつになれば…

日は昇るのだろう?

いつになれば…



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