お茶の香りのパイロット
アルミスはにっこり笑うとロボットについて話し始めた。

もともとサイズの小さいロボットや人形を作るのが好きだったことや、機械いじりが好きなこと。

玩具で子どもたちが楽しみながらどんどん成長していけたら・・・という夢。

しかし、現実は大陸全体を巻き込むとんでもない戦争が続いている世の中になってしまったこと。


友達だったらいいな~でできあがったラーガを親友と設計したこと。

その親友がラーガ完成のときを見ないで死んでしまったこと。

死体になった親友の住まいでさえ、攻撃を受けてしまい、自分の心が少し壊れてしまったことなど、涙声にもならずにひたすら淡々とアルミスは話した。



「まさか、私が来ることがわかってたの?」


「いいえ、フィアに会えたのは偶然ですよ。
でも、フィアのおかげで決心することができそうなんです。」


「決心?」



「ええ、私の設計したロボットに適応する人が集まってくれたら、平和な国、平和な世界を作りたいと願っていたことをね・・・。」



「平和な国!このロボットで?
いくらロボットがすごくっても世界を敵にまわすことになるかもしれないのに?」



「そうですね。きっと見た目からみんなが敵になりそうですけど、今のままでも滅びの一途です。
だったら、せめて私のところに集まった仲間たちだけでも、普通の生活ができるようにがんばりたいと思ったんです。

おかしいですか?ダメでしょうか?」


「わかりません・・・。ごめんなさい。
私はまだ何もわからないから、何ともいえないんです。」



「ふふっ、正直な人ですね。
じゃ、皆さん、こちらがフィアさんです。

ご挨拶その他よろしくお願いします!」



「えっ?」



フィアがきょろきょろすると格納庫の奥からぞろぞろと作業着姿のスタッフが現れた。


「アルミス様、ご要望どおりの1体用意しておいたぜ。」


「あぁ、ありがとう、ナオヤ。
これから、彼女のデータ収集と特徴付けをやっていくからよろしくね。」


「OK、おまかせを。
え~と・・・こちらは・・・。」



「うん、フィア・ライミアスさんだ。
適応性は抜群だよ。
ラーガとも、私の知らないうちに友達になってたようだしね。」


「友達って・・・私の夢に出てきたことがそんなぁ・・・。」


「すまないねぇ。レディのプライバシーに土足で乗り込んでしまうようなことをして。
私の無意識がよからぬことを考えてしまったからかもしれないし、ほんとに申し訳なかったと思っています。」


「あ、あの・・・アルミスって何者なの?
ロボットを設計した博士で天才科学者なのはわかったけれど・・・メカニックのナオヤさん?

どう見てもアルミスよりも年上よね。
なのに・・・アルミス様って呼んだわ。
もしかして、何か身分の高い人なの?」


「言わないといけない?」


「言いたくなければ無理にとはいわないけど・・・でも・・・。
隠し事されるのは面白くないわ。」



「そ、そうですか。仕方ありませんね。
私は、ウィウスの皇位継承者2位のアルミス・レイ・ロングリエ・ウィウス王子って以前は呼ばれていました。

でも、今は逃げ出した弱虫な力のないヤサ男です。」


「お、おおおおお・・・おう・・・じ様な・・の?」



「あっ・・・こんな世の中だし、私はぜんぜん偉くないんですから、普通に接してくださいよ。」



「でも、国が復興されればあなたは・・・。」



「復興する気なんてないと言ったら?」



「そんなの困ります!いけません!ひどいです!!」
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