世界で一番、ずるい恋。





ヤバイ、どうしよう。

何も返事がないどころか、下を向いてしまったまま微動だにしないんだけど。


私の問いかけから約三分。


いや実際もっと短いのかもしれ無いけど、千堂くんが黙ってしまって緊張感が張り詰める図書室では時間の感覚が狂っている。




「え、えっと……千堂くん?」




恐る恐る声をかけてみるけど、応答はない。



どうしよう、千堂くんが話してくれてるからって、ちょっと調子に乗りすぎた?

もしかして、怒らせた?




「……えっと、千堂くん」

「秘密だからな」

「え?」




謝ろうとした私の声は、控えめに紡がれた千堂くんの言葉に遮られた。



でも千堂くんが言葉を発さなくても、私が言葉の続きを言うことは無かったと思う。



それは、ゆっくりと顔を上げた千堂くんは、ビックリするくらい頬を真っ赤に染めていたから。


色白だから余計にそれが目立って、照れてるのか怒ってるのか私には分からない。

だけど、初めて目の当たりにした彼の人間っぽさに、ただ見つめ続けるしかなかった。







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