世界で一番、ずるい恋。
嘘をついたり騙したりするのは、心苦しい。
だけど、そうするしかないから、もっと苦しくなる。
「……さっきから何なの?」
何度も使ってきた、" いないよ " という嘘を口にしようとしたら、先に陽果が口を開いた。
きっと、気付いてくれたんだろうな。
私が、他の子とのこういう話題が苦手なこと。
言い方がキツイのは、相手が恋那ちゃんだからってことにして、もう諦めようかなって思うようになってきた。
だって陽果がここまで毛嫌いするって、必ずそれなりの理由があると思うし。
……うん、今度聞いてみようかな。
「え……?」
「大して仲良くもないのに何?第一普段は挨拶なんてしないじゃん。目的は?魂胆は?」
バンッ、と机に勢いよく両手をついて立ち上がった陽果に恋那ちゃんの体がビクンと跳ねる。
教室は静かになって、こちら側に視線が一斉に集中する。
「何でも、あんたの思い通りになるなんて思わない方がいいと思うよ?」