世界で一番、ずるい恋。



悪い悪い、なんて本当に思ってるのか分からないような言葉を並べて近付いてくる先生。


あー、今さっきの反応の仕方、可愛くなかったかな。

びっくりしましたよ~なんてもっと女の子っぽく怒れば良かったかな?



でも、キャラじゃないしな……。

それ以前に先生のタイプを知らない。


そうだよ、知らないんだよ。

いや、私、先生のことなんてほとんど知らないじゃん。




「んーっと、どこで教えれば良いか?」





屈んで私に目線を合わせながら聞いてくる先生。



うわ……顔が近い。


先生ってほんと綺麗な顔立ちしてるよな、なんて思わず見惚れそうになる。


でも今日はダメだ!

勉強することが目的なんだから。



「阿波、どうかしたか?」

「いや、何でもないです!!」



本当のことなんて、言えるわけがない。


だから先生、お願いです。

質問するときに首を傾げる仕草、可愛すぎるのでやめてください。





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