それでも、課長が好きなんです!

第13話 修羅場?

 ここのところ残業続きだったが、今日は村雨さんが不在のため珍しく定時で上がることが出来た。
 合コンの誘いを断り寄り道もせず、一目散に自宅へと向かう。
 先ほどまでパラついていたミゾレ混じりの小雨は上がり、雲の隙間からは暗くなった空が見える。
 歩く速度を落として夜空に消える白い息を見上げる。
 定時で帰れても、冬になると日が短く空の色はいつもと変わらない。
 車道を走る車のクラクション音にはっとして、再び足早に自宅へと向かった。

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