【完】君ノート
「……わっ。先輩だよ…」
「どーする?」
ひそひそと、女子生徒は話している。
私はビクビクと体が震えていた。
……あのまま、落ちていたら…。
それを想像するだけで怖くて。
「大丈夫?」
さくら先輩は、私の顔を覗き込んで心配してくれた。
安心して、視界がボヤける。
「階段から突き落とそうとするなんて、あんたらおかしいんじゃないの!?」
さくら先輩は、すっごく怒った声でその人たちに言い放った。
「別に、そんなつもりじゃ…」
女子生徒は言い返そうとする。
「理由も理由よ!!
デカイ声で話してるから聞こえてきたけど、なに!?
沢田くんが自分に相手してくれないからって、花音ちゃんに嫉妬!?バカバカしい!」
さくら先輩の威圧感に、女子生徒は悔しそうな顔をしてその場を立ち去った。