【完】君ノート




「俺からのプレゼント」



優くんは楽しそうに笑って、そのノートになにかを書いている。



「はい」



手渡されたノートを見た。


そこに書いてあったもの……。




〔花音、笑って〕




…………。




『花音、笑って』




お母さんの声と、優くんの文字が重なる。



私はノートから顔をあげ、優くんを見つめた。



「花音、笑って。
笑ったら絶対幸せになれるから!」




「優くん……」




「怖くなったらそのノートを見て?魔法のおまじない!
『花音、笑って』ってな!」



ジワジワと滲んでいく世界。

涙をこらえて、私は必死に笑った。




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