【完】君ノート
「私、保育士なりたいの。
ひとりっ子だから、兄弟とか、ほんと羨ましくて。
小さい子見てるだけで癒されるの。
だから、大好きなピアノ弾きながら、子供たちと楽しい歌を歌って、笑顔にしたい」
初めて聞いた、花音の夢。
それは素敵な夢だった。
自分の声で、人を楽しませる。
「うん。花音ならなれる」
きれいな声を持っている花音に、ぴったりだと思った。
そういえば、いつか言っていたよな。
俺が、声が戻ったらなにがしたい?って聞くと、
その返事はノートで返ってきた。