【完】君ノート
これから先の未来にも、君が隣いる。
「未来か……」
俺もそろそろ、将来のことを決めなきゃいけないな。
「どうしたの?優くん」
「なぁ、花音って夢とかあるの?」
「えっ!?急にどうしたの?」
焦り出した花音に、俺は勘が働いた。
「へぇー。あるんだ、夢」
「うぅっ……」
みるみるうちに、頬を赤く染める花音。
「教えてよ?」
知りたい。花音の夢。
「笑わない?」
心配そうに、上目遣いで聞いてくる。
「笑わない」
そう言うと、花音はピアノの前に行って指でひとつ、
──ポーン♪
と、音を鳴らした。