【完】君ノート





静かな空き教室。



寒くなる季節の放課後。






日が暮れるのは、あまりにも早くて。







花音の音と、ピアノの音がハーモニーを奏でる。



それはキレイに響き合う。




君と……響き合う。







この音はきっと、みんなを幸せにする。





花音はその夢を叶えて。



未来にも、君の声を必要とする人はきっといる。



すくなくとも、俺がそのひとりだ。





〜♪〜♪〜♪







歌い終わった花音は、ゆっくりとこちらを向いた。





「どう……かな?」




窓辺に映る外の景色は、オレンジ色。


花音を照らしていた。



今にも花音に羽がはえて、どこかへ行ってしまいそう。


そんな気さえした。







「すっげー……キレイ」




俺の目に映る花音が、すごくキレイだった。




< 367 / 433 >

この作品をシェア

pagetop