【完】君ノート
まずはノートに、可愛い女の子を描いてみた。
花音は興味しんしんに、俺が描いてるノートを覗き込む。
「これが、花音な!」
「えっ?」
俺は男だから、そんなに絵はうまくない。
自分なりに必死に描いたけど、イマイチ……かな?
「あははっ。可愛いっ」
良かった。どうやら気に入ってくれたみたいだ。
本気で描いたかいがあった。
「んで、花音の周りには、花音の大好きな子供がめっちゃいんの」
「……1…2…3……。3人?」
「……花音は子供、何人ほしい?」
「えっ?」
俺の言葉に驚く花音。
そして、すぐにハッとする。
やっと理解したんだろう。
俺が描いている、この絵を。