【完】君ノート
「……あっ」
花音の座ってる横に、1冊のノートがあった。
これは、君のノート。
君の想いが、紡がれているノート。
だけど、いつも開かれていたノートは裏向きに閉ざされていて。
なんだか悲しい気持ちになった。
まるで、花音の心が閉ざされたようだった。
俺はノートを手に取って、パラパラとめくる。
ノートのひとつひとつのページには、涙の粒の跡があった。
このノートを見て、花音は泣いていたんだ。
……君は、どんな想いでこのノートを見ていた……?