【完】君ノート
その顔が、可愛くって…。
なんだか、いてもたってもいられない感覚になる。
「…じゃあさ。俺のお願い聞いてよ」
俺はそんなことを言っていた。
キョトンとした花音の顔が、おかしくって笑ってしまいそうだ。
やっぱり表情がコロコロ変わっておもしろい。
…見てて飽きない。
ずっとそばにいたくなる。
「花音の声が戻ったら、俺の名前を最初に呼んで?」
そう言うと、花音は優しく微笑んだ。
そしてノートにスラスラと文字を書き、俺の前に手を差し出した。
〔約束する〕
ノートを見せると、花音の手の小指がピンっとたった。