助手席にピアス
Sweet*18

結婚式


いつものようにイタリアンレストラン・ボーノで美菜ちゃんとパスタランチ中。……ではなく。

今日は珍しく、仕事終わりにお洒落なダイニングバーでカクテル片手に食事中。

「雛子~、寂しいよぉ~」

「もう、美菜ちゃんったら飲みすぎだよ」

さっきから『寂しい』を連呼する美菜ちゃんに、困惑する。

「だってぇ、雛子が私に相談もなしに、そんな重要なことを勝手に決めちゃうんだもん」

「美菜ちゃん、ごめんね」

どうして、このような流れになったのかと言うと……。

私が三月いっぱいでハニーフーズを辞めることを上司に報告したから。

「雛子! きちんと説明してよね!」と鼻息を荒げる美菜ちゃんにダイニングバーに強制的に連れて行かれた私は、自分が自分らしく幸せに生きていくために、もう一度スイーツに関わる仕事に就きたいと思ったことを打ち明けた。

美菜ちゃんは初めのうちは、私の決断を喜んでいてくれた。でもカクテルをお代わりするたびに、愚痴が増えていき、とうとう「寂しいよぉ~」を連発し出した、というわけ。

「美菜ちゃん、私も寂しいよ。だから今度、彼氏と一緒に地元に遊びに来てね。そうしたら琥太郎を紹介するから。ね?」

< 218 / 249 >

この作品をシェア

pagetop