嗤うケダモノ


(やっぱ甘かったか…)


上靴に履き替え、ローファーを下駄箱に突っ込んだ日向は、朝っぱらから盛大に溜め息を吐き出した。

甘かったよ。
やっぱ『その程度』じゃなかったンだよ。

オカ研に入るってコトは。

色々と衝撃的だったあの日曜日から、かれこれ半月。
日向がオカルト研究会に入って半月が経過したワケなのだが…

憂鬱なコト山の如し。

別に活動がキツいわけではない。
毎日、部室という名の由仁の城でお菓子食べてるダケだし。

過度なスキンシップに戸惑ったり、だだ漏れの色香に悶絶しそうになるものの、由仁がキライなわけでもない。

むしろ… その…

もごもご‥‥‥

じゃあ、ナニが憂鬱なのか。


(コレだよ…)


一年五組の教室に向かう足を止めて振り返った日向は、何度見ても見慣れることのない光景に眉をひそめた。

さっき通過した昇降口に身を寄せ合い、小声で言葉を交わしながら日向を睨んでいるセクシー系オネーサマS。

階段の踊り場に身を寄せ合い、小声で言葉を交わしながら日向を睨んでいるキレイ系オネーサマS。

廊下の隅で身を寄せ合い、小声で言葉を交わしながら日向を睨んでいるカワイイ系…
あー… もう! 以下略ぅぅぅ!!

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