嗤うケダモノ

「ジンのヤツ、やっと捕獲したバニーちゃんに夢中だもん。
こんな状態、絶対黙ってるつもりナイよ。」


ナニソレ?
捕獲?


「なのに当のバニーちゃんは、いつまで経っても助けを求めてこない。」


ナニソレ?ナニソレ?
バニーちゃんとか…


「意外と気が短いジンは、そろそろ痺れを切らして…」


ナニソレ?まじで。
てか樹さん? 百合さん?
目がコワいンですケド?


「「ナニカしでかす。」」




ナ──ニ──ソ──レ──??!!

完全にシンクロした樹と百合の言葉に、日向は青ざめた。


「ちょ…
ななナニカって?
ナニカってナンスカ?
ナニがあるンスか?
ほんと助けとか必要ナイってか 鼻に画鋲ブっ刺されたワケでもナイってか…
そもそも『捕獲されたバニーちゃん』て?
私じゃねーっスよネ?
夢中とか、あり得ないっスもんネ?
私は関係ナイっスよネ?
そーだと言ってぇぇぇぇぇ?!」


ハイ、壊れた。

『ナニカしでかす』の恐怖にパニックを起こした日向が、百合の腕に縋りついたその時…

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