嗤うケダモノ

だって、厚かましくね?
重い女じゃね?

そんな、オンブにダッコ、みたいなさー…

日向は、黙って返事を待っている由仁を、上目遣いでチラリと見上げた。

ナニか言わざるを得ない…


「…ダメじゃないですケド…」


うん、歯切れ悪いヨネー。

なのに由仁は、下唇をペロリと舐めて妖しく笑った。


「ダメじゃないンだ?
ヨカッタ、ヨカッタ。
じゃ、もう一つの隠し事も、教えてくれるヨネー?」


「え… え?
は? ナンデ?」


「ナンデ知ってるかって?
ヒナのコトならなんでもわかるよ。
だって、ずっと見てるもん。
教えてくれるヨネー?」


「いや… ちょ、待っ…」


焦る日向の髪を、由仁が長い指で絡め取る。

彼の『オネガイ☆』は、やっぱりちょっとした脅迫。

こんな風に暴かれて、迫られて 絡め取られてしまったら、もう逃げるコトなど不可能だ‥‥‥


「ヒーナ?
教えてくれるヨネ────?」


「‥‥‥ハイ…
聞いてやってクダサイ…」


ハイ、ラスボスの勝ちー。

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