嗤うケダモノ

「ふむぅ…
どんな視線なんじゃ?」


ソファーに腰掛けた空狐が、ズズっとお茶を啜りながら日向に訊ねた。

時は放課後。
ココはオカ研部室。

いつものように、お菓子を食べながらダベり中‥‥‥

って、ちょっと待て。

なんで空狐がいンの?!
大丈夫なの?!

ハイ、大丈夫。
ソレもいつものコトだから。

久しぶりに自由になった空狐は 黄門様よろしくアチコチを漫遊して楽しんでいて、度々学校へもやって来るのだ。

由仁と日向以外の人の気配がするとフイと消えてしまうため、見つかる心配もない。

サスガ三千年も生きた大神狐。
ちゃんと空気読んでる。


「どんなって…
なんかジトーっとして、暑苦しい視線ですかね。」


空狐の隣に座った日向も、湯飲みに口をつけながら答えた。

なんつーか…
老人二人組のひなたぼっこか。

ほっこりしている日向と空狐とは対照的に、一人不機嫌そうにチェアで貧乏揺すりしているのは…


「由々しき事態じゃーん。
ヒナも、そんなにノンキにしてちゃダメー。」


バンっとデスクに掌を叩きつけた、由仁だ。

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