嗤うケダモノ

10分後。


「チヅコ迎えに来たよー。
チヅコ迎えに来たよー。
チヅコ迎えに来たよー…」


「先輩、スミマセン。
25番目の原子って、ナンデシタッケ?」


「マンガン。
原子記号はMnだよー。
チヅコ迎えに来たよー…」


「ありがとうございます。」


20分後。


「カヤコ迎えに来たよー。
カヤコ迎えに来たよー。
カヤコ迎えに来たよー…」


「先輩、名前変わってます。
白塗りの人になってますよ。」


「あ、ヤベ。
チヅコ迎えに来たよー。
チヅコ迎えに来たよー…」


30分後。


「チヅコ迎えに…
もー飽きたー。」


「じゃ、帰ります?
私も今、宿題終わったンで。」


「うん。
明日リベンジしてやるー。」


チヅコもカヤコも来なかった。

まぁ、そんなもんダヨネー?

由仁は紙人形をクシャっと握り潰し、部室の隅にあるゴミ箱にシュートを決めた。

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