嗤うケダモノ

「ほら、俺みたいのを黙らせるコトすら出来ない。
君は弱いよ。」


表情もなくAくんを見下ろした由仁が、冷たく言い放った。


「言いたいコトを自作の呪いに代弁させるとか。
その上、女のコをターゲットにしてツラい思いさせるとか。
強い男のするこっちゃねーだろが。」


「な…」


屈辱に顔を赤らめたAくんが、学ランの袖口で鼻血を拭いながら立ち上がる。

奥歯をギリリと噛みしめて。
目を血走らせて。


「エラソーに…
テメェにナニがわかンだよ!!!」


Aくんは怒号を上げて由仁に襲いかかった。


「んー? ナニがー?」


不思議そうに首を傾げた由仁が 迫りくるAくんの手首を掴み取って…

そして…

ダン!

…ダダダ ダっ バターン!


「ぎゃっ?!」


ヒューン… ゴン!


「ぎゃっ?!」




ハイ?
ナニガアリマシタカ?

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