嗤うケダモノ
「そりゃ来るじゃろ!
旨い酒に旨い肴。
その上、露天風呂で由●かおるの入浴シーン再現とくりゃ」
「鍋に入りてェンだな?
このエロ黄門が。」
「んグっっ??!!
杏子ちゃん?! そんな殺生な?!」
冷ややかーな目をした杏子の一言に、まんじゅうを喉に詰まらせた空狐が青ざめる。
「釜茹でなんてヌルいよ。
火炙りでいンじゃね?」
「ゲホっっ??!!
由仁、おぬしまで?!」
前回の鍋に投入危機を救ったはずの由仁にまで冷たーい言葉を浴びせられ、空狐はますます青ざめる。
だってネ?
今回のお風呂には、日向もいるの。
ソレを覗いた日にゃ、アンタ…
万死だろが。
「…フフっ
なんだかんだ言ってこの旅行は、フツーの温泉バカンスで終わりそうですね。」
咳き込む空狐に湯呑みを手渡しながら、日向は由仁を見て微笑んだ。
目を細めて彼女を見つめ、由仁も微笑む。
世にも妖しく‥‥‥
「さー? どーだろネー?
色んな思惑が錯綜してるみたいだしー?」
…あんま不安になるよーなコト、言うなって。