嗤うケダモノ

なんの、って…
わかンでショ?

結婚するため。
愛しのバニーちゃんを、永遠に檻に閉じ込めるため。

指で下唇を引っ張りながら。
眉根を寄せながら。
悩ましげに由仁は言った。


「俺…
将来、世界を股にかけるオカルトハンターになろうと思ってたンだよネー…」


バカだ。


「でもソレじゃ、生活が不安定じゃん?」


たとえ不安定でも、ソレで生活できる気でいたコトが驚きだ。


「だから、進路変更しよーと思うの。
ヒナは大統領のお嫁サンと、石油王のお嫁サンと、カジノ王のお嫁サン、どれがイイー?」


本気のバカだ。
言ってるコトが幼稚園児レベルだ。

だがしかし、『オネガイ☆』の連発で目標地点に辿り着いてしまいそうだから、このバカはオソロシイ。

呆れ顔で。
冷ややかな視線を送りながら。
溜め息混じりに日向は言った。


「どれも結構デス。
てか、いーンじゃないっスか?
オカルトハンターで。」


「えー?
イヤだしー。」


由仁の頬がプゥっと膨らんだ。

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