嗤うケダモノ
なんでかな。
なんで飲み干されたグラスを見ただけで、そんなコトまでわかるかな。
「…
ハイ。」
「ふーん?
ヒナには言ってったンだ。
赤ちゃんできたら呼んで、とか言われたー?」
「…
ハイィィィィィ??!!」
「なるほどネー。
そんで、照れちゃって、謎の呪文を唱えてたってワケかー。」
「クァwセdrftgyフジコ───??!!/////」
なんでかな─────??!!
なんで赤ちゃん云々のコトまでわかるかな─────??!!
盗聴器か?!
千里眼か?!
障子にメアリーかぁぁぁぁぁ?!
青くなってキッチン中に視線を走らせる日向を見て、由仁は親指で下唇をなぞりながら嗤う。
妖しく。
そして、美しく。
「心配しなくても、覗き穴なんてねェし。
ヒナのコトならお見通しだし。
それにジーチャンは…
…
あの人、ジーチャンだからネー。」
(…
どーゆー意味だ?)
動きを止めた日向は、ポカンと口を開けた。