嗤うケダモノ

「なんじゃ! この扱いは!
無礼モンが!
…ん? コレ、確か前にも…」


「無礼なのはジーチャンだし。
人の話、聞いてる?
なんか知ってンなら、ちゃんと説明してくンなーい?」


「そーですよ!
説明してクダサイ!
アキたちは、どーなったンですかっ?!」


由仁どころか日向まで、プランと宙に浮く黄門様に詰め寄った。

二人の非難めいた視線を集めた黄門様は…


「ぁぅ? ぁゎ? ぉぅ?
そそソヤツらはもう問題ない。
今起こったコトも、覚えておらんじゃろ。」


オロオロと身体を揺らしながら慌てて口を開いた。

おや?
見た目と違わず、カワイージーチャンなのね。


「あの黒いのはどーなったの?
もう戻って来ないー?」


「どーなったって…
おぬし、本当に全部無意識だったンじゃな…」


首を傾げて問い掛ける由仁をマジマジと見つめた黄門様が、溜め息混じりに呟いた。

そーなの。
全部無意識なの。
なんもわかってねーの。

ちゃんと解説してね?

意思の疎通が可能になった黄門様に、由仁は艶然と微笑みかけた。

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