鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ
プロローグ


 その群れは唯一の者の為にある。
唯一の姫は勝利へと誘う女神となり、
唯一の蝶は自らを紅に染め女神を守り、
唯一の龍は敵対する蒼となる。


 蝶の周りの者は、
蝶の居場所を創り、築き上げ、
蝶を守り、勝利へと導き、

蝶の為に身を捨てる。


蝶は悲しんだ。
そして傷ついた。
結果守る為だけの意味を持たず、
傷つけることに転じた。


 龍の周りの者は、
守る為に鬼と化し、
惚け、支え、

裏切る運命。

 龍は怯え、嘆いた。
そして身に蓋をするように、
氷と化し、無差別に地に伏せさせる。

すべては鍵の付いた運命。

さぁ貴方は運命をどう変える?
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