鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ

暁の光



孤立した空間。
昨日は月城家の本家で寝ていたのだが、
今日は今まで通り、
マンションの部屋のなかだ。

静かな部屋のなか。

響くテレビの音。

1人座るソファー。

大人数のギュウギュウ詰めで座ったソファー。

あのときとは、
対照的な空間に僕は1人。

ってか、
ここどこ?

え?
ちょっと待って?

ここ、
僕の部屋じゃないよ!?

え?


ここどこ?
今何時?

僕は…だれ?


なんつって?

でも待てよ…?
僕は女学院生を全員車に送って、
自分の車を待ってて…


ん?
そこから記憶がないんだけど…

あれ?
これってもしかして、
誘拐って言うの?

それとも
人質になってんの?

それともそれとも~
捕縛された?

それともそれともそれとも~

「それともそれとも
うるせぇよ…」

おお…
お前は……



だれ?

「は?
知らねぇの?」

「あぁ!!」

「知ってるよな?」

「誘拐反か!」

「わかってねぇし!?」

「へ?
違うの?」

「違わなくもないが…」


だったらなんだよ…
お前だれだよ…
知らねぇよ…

どちら様ですか?

助けて~ドラえ○~ん



助けて~アンパ○マ~ン




チッ
やっぱり正義の味方なんて
いないのか…

クソッ!!

「信じてたのかよ…」



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