【完】白衣とお菓子といたずらと
――カタっ
彼女の渡したい物を、テーブルの上に置いた。
「はい。美沙、これもらって」
「え……これって」
彼女は顔を上げると、驚いたように目を見開いた。
「ここの鍵」
そう、俺が昼間のうちに急いで準備したのは、ここの合鍵。
勤務時間が違う俺らがすれ違いになってしまうのは目に見えている。
だから、いつでも彼女がここに来れるようにと用意した。
「明日から仕事復帰するし、勤務がバラバラになっちゃうでしょ?今みたいに会えなくなるし。だからさ、美沙の好きなときにここに来て」
「でもいいの?礼央さんがいない時にあがってて」
「うん、構わないよ。何でも勝手に使って」
なんだそんなこと気にしているのか。気にしなくていいのにな。
美沙に迎え入れられたいっていう、秘かな願望もあるってことは内緒にしておこう。
「もらってくれる?」
もう一度鍵を差し出すと、頷きながら彼女は鍵を受け取ってくれた。
「明日、早速使わせてもらう。礼央さんの帰りを待ってる」
受け取った鍵を見つめながら、俺が欲しかった言葉をくれた。
明日からの仕事も、頑張れそうだ。
彼女の渡したい物を、テーブルの上に置いた。
「はい。美沙、これもらって」
「え……これって」
彼女は顔を上げると、驚いたように目を見開いた。
「ここの鍵」
そう、俺が昼間のうちに急いで準備したのは、ここの合鍵。
勤務時間が違う俺らがすれ違いになってしまうのは目に見えている。
だから、いつでも彼女がここに来れるようにと用意した。
「明日から仕事復帰するし、勤務がバラバラになっちゃうでしょ?今みたいに会えなくなるし。だからさ、美沙の好きなときにここに来て」
「でもいいの?礼央さんがいない時にあがってて」
「うん、構わないよ。何でも勝手に使って」
なんだそんなこと気にしているのか。気にしなくていいのにな。
美沙に迎え入れられたいっていう、秘かな願望もあるってことは内緒にしておこう。
「もらってくれる?」
もう一度鍵を差し出すと、頷きながら彼女は鍵を受け取ってくれた。
「明日、早速使わせてもらう。礼央さんの帰りを待ってる」
受け取った鍵を見つめながら、俺が欲しかった言葉をくれた。
明日からの仕事も、頑張れそうだ。