【完】白衣とお菓子といたずらと
2ヶ月という期間は、短いようで、意外と長い物だったことがはっきりと分かった。


業務内容は2ヶ月程度では忘れないが、効率がものすごく悪くなっていて愕然とした。


今まで重複してこなしていた業務が、1つずつしか出来なくなっていた。


……早く、感覚を取りも出さないと。


焦る気持ちが強くなった。


今日から復帰だから仕方ないことは分かっている。けれどそれに甘えちゃいけない。


だたでさえ、急な入院での休職で迷惑をかけたんだ。これ以上迷惑はかけられない。


少し凹んで、そして頑張ろうと決意して、初日は終了した。


明日は、少し早く出勤して、もう一度仕事を確認しよう。





今日は俺に出来る事はこれといってなくて、定時から20分くらい過ぎた頃あがらせてもらった。


沈んだ気持ちでとぼとぼと更衣室へと向かうと、まだ早い時間だというのに先客がいた。


「……あっ、山下さん」

「本当だ、お疲れです」

「今日から復帰だったんですね」


……なんで、こいつらはいつも一緒なんだ。


今のテンションでは、こいつらに会いたくなかった。付き合いきれる自信がない。


「お疲れ様。あー、今日からだったんだよ」


目の前にいるのは、いつものリハビリ3人組。


「……お疲れみたいですね」


俺のテンションが低いのが伝わったらしく、池田が苦笑している。


「久しぶりの仕事だったからな、さすがに疲れた。慣れるまでもうしばらくかかりそうだよ」


これ以上触れるなという意味もこめて、疲れたという部分を強調した。
< 167 / 220 >

この作品をシェア

pagetop