【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「………」
目の前に立った私を一瞥した九門は、自分の手元のパンを見てかぶりついた。
モグモグ…---
私のカレーパンを、何とも美味しそうにモグモグ九門は食べている。
そんな九門の横にソロリと座った。
ほッ---
何となく口から息か漏れ出た。
この男って隣に誰かが座ろうものなら物凄く怒りそうなのに、私が隣に座っても気にする事なくパンを食べている。
また、手を出してくるかも?
何てどこか構えていたところもあった私はそんな九門の様子に安心しながら、自分の持っているビニール袋から美味しそうなクリームパンを取り出した。