【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
やはり皆もそう思ったようだ。
私の代わりに疑問を口にしてくれた朱利に、鏡夜はそれに答える事なく顔を横に背けた。
話す気はないようだ---
「まぁ、まずは綾香に手を出した奴ら退学にするだろ。その後は、そいつらの親の会社潰せばいいか?」
「それは…、任せます」
朱利と違って青治はどこか冷酷な面を持っている。
そんな青治だったらきっと、わたしが納得する処置を取ってくれるだろうからと任せる事にした。
「会長には言うの?」
「帰ってきてから言えばいいよね?…まぁ、その頃には全て終わってるけど」
クスクスと楽し気に朱利は笑っているが、目は笑ってはいない。
相当、綾香が手を出された事に怒っているのだと分かる。