【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
今だケラケラ笑っている朱利は、どこか子悪魔に見えた。
しかし…、
綾香に手を出すとは許せない奴等だな---
綾香は…、
私にとってとても大切な存在。
絶対に誰にも触れさせたくないし、手を出されるのはもっての他だ。
わたしが綾香を守ってみせる。
綾香だけなんだ…
私の事を、私自身を見てくれたのは---
親も周りの人間達も皆…、私の本当に姿など見てはくれない。
見ているのはただの家柄と容姿だけ---
私がどんな行動を取ろうとも誰も反論する事なく、それに従う。