【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「絶対、桐生さんに綾香を近づけるなよ」
肘をつき両手を重ねたその上に顎を置く蓮は、俺を睨みつけながらそう言ってきた。
そんな蓮に俺も同じように睨みつける。
「そんな事分かってる。…桐生さんに気がつかれたら綾香が危ないだろ。アイツの手先なんだし」
「それだけではない…。アイツには俺達を引き付ける香りがある。それに興味を持たれたらもっとやっかいな事になるかもな。まぁ、俺達にもそれはあるが」
「香り?」
ニヤリと笑う蓮に首を傾けた。