【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
ドキッ---
長い前髪から見えた、久しぶりに見る会長の姿に胸が高鳴る。
太陽に当たった会長の金色の髪がキラキラと眩しくて目を細めながら、それでもジッと全てを見逃すまいと食い入るように見ていた。
すると突然、何かを探すようにゆっくりと目の前にいる生徒達を見回す会長。
それを不思議に思いながら見ていたら…、
目が…、
合った?
「………ッ」
多分…、
気のせいだよね?
だって目が合った瞬間、会長が微笑んだから---
私に笑顔をくれるわけないし。
周りにいる女の子達が会長を見て騒いでたからきっと、その子達に笑みを浮べたんだ。
うん、絶対にそう---
そう思いながらももしかしたら…と、期待してしまう自分がいた。