【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
もう一度、
『紅』を見たい---
その一心で俺はヤツを探している。
出来ることなら会長達より先に探し出して、俺の物にしたい。
イヤ…、
コワシテシマイタイ---
そう思った途端、背筋を何かが這う感覚にゾクリと震えた。
思わず舌なめずりする。
本当に、ここまで俺の感情を高ぶらせる人間など初めてだ。
俺にとって、男だろうが女だろうが関係ねぇ。
絶対、手に入れてやる---