【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
昨日は具合が悪くて授業に出なかったと言ったにも関わらず、佐伯先生は私にプリントを渡してきた。
と言う事は…、
きっとこの佐伯せんせ……、いやもう呼び捨てでいいか。
まぁ、きっと佐伯は私の言う事を信じてはいないんだろうな…と、すぐに分かった。
生徒の言葉を信じなさいよね?
思わず前髪の間から睨んでやる。
すると何やら話していた佐伯の口が止まり、そして私を見てきた。
うわっ---
すぐに私は視線を明後日の方向に向けソッポを向く。
勘が凄くいいようだ---
あまりこの男には関わらない方がいいだろうと心に決め、そして頬杖つきながら窓から見える心地良い空へと視線を向けた。