【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


『あぁ、いい忘れたがこの研究所内は全て閉鎖された。逃げようとしても無駄だ』


「そうだ、私…」


「逃げるぞ」


「でも、全て封鎖されたって…」



私の言葉に父さんが私を見る。




「それは大丈夫だ。私はここのシステムエンジニアの総監督を任せられている。少し時間はかかるが閉鎖は解除できるから、お前達はなるべく時間をかせいでくれないか?」



そう言いながら自分のポケットに手を突っ込み、スマホ?…よりは少し大きめの機械を取り出した。



これはパソコン…、なのだろうか?


始めて見る、あまりにも小さなパソコンらしき物に驚いている私の事など気にする事なく父さんは目の前でその機械を起動する。


そしてカタカタと素早い指の動きでキーを叩き始めた父さんに頷き、私と蓮はいつ敵が来てもいいように構えた。


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