【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「昨日、お前が裏門から学園の外に出るのを見た」
「………」
目の前には腕を組み、真剣な顔をしながら私の次の言葉を待つ佐伯先生がいた。
そんな先生をジッと見ながら、今言われた言葉を心の中で反復する。
『裏門から学園の外に出るのを見た』って今、佐伯先生は言ったよね?
見られていた?
私が裏門から出るのを---
絶対に誰にも見られていない自信があったのに、いつの間に先生は見ていたのか。
「…見間違いでは?」
「………」
「………」
すっとぼけてみた---
すると先生の顔は見る見る内に怖い顔へと変わっていく。