【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


この部屋の一番臭い原因はこれだな…


ジッとタバコの吸殻を見た後、先生を睨み付けた。




しかし当の本人は前髪で隠れている私の表情など知る由もないから気軽に飲み物はどうするかと聞いてきた。



『いらない』…と答えたら、『そうか』と言ってそのまま私をジッと見る。



暫く私を見ていた先生の口が、フゥ…と少し緊張した空気を醸し出しながら口を開いた。




「…東條、昨日俺の授業に出なかった理由は?」


「…だから具合が『ウソだな』……」


「何故ですか?」


本人が具合が悪いと言っているのに、担任である先生は私の言葉なんて信用しないのは酷くない?



…まぁ、私の言っている事は先生の言うとおり嘘なんだけどさぁ---


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