私がナイト。


「我々北宮家は九条家に使えてきた武家であった。
江戸幕府が終わり、時代が移り変わっていってもそれは変わることない。
・・・今もだ。
お前は今まで何を習ってきた?
何のための武術だ?
何のためにこうして九条家と隣り合った家なのだ?」

「それは・・

我々北宮家が九条家をお護りするためにあるから」


「その通りだ。
お爺様は現九条家当主、九条恭一郎様を、
私は九条一也様を護ってきた。

ではお前は誰をお護りするのだ」


「・・・・九条優斗様です」


「ああ、お前は今まで確かに、優斗様を護ってきた。だがそれもこれまでというのか?」

「いいえ。我々北宮家は命尽きるまで九条を、お護りし使えてゆきます。」



総一は、そうはっきりと答えた千尋に強くうなづいた
・・と共に、辛い表情も見せた




「私とて娘を男の学校など入れたくはない。だが・・仕方が無いのだ。
お前には男にも負けぬよう武術を教えてきた。現に今、お前に勝てるものなどそうそうおらん。

千尋。優斗様を全力で護り抜くのだ」


「はい」


このような話をするには、千尋の寝間着姿はいささか不釣り合いであるが、千尋は北宮に生まれたものとして役目を果たすことを誓ったのだった ー




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