【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「未唯、もう平気なの??」
やけに立ち直りの早い未唯に
驚きながら未唯を見つめた。
「圭を好きになったのは私。
こんな辛い片想いを始めたのは私だから。
もうこれ以上舞衣に迷惑は……」
「かけて?」
「え?」
「もっと迷惑かけてよ!
あたしたち親友なんだから!!」
そうあたしたちは親友。
誰にも負けないくらい、
強い絆で結ばれた、親友なんだから!
「舞衣……ありがとう。
舞衣も、迷惑かけてね!」
あたしは大きく頷き笑い合った。
そんな時あたしのスカートの
ポケットに入っている携帯が震えた。
取りだし、ディスプレイを見た。
【桜井蒼】
蒼だ……