恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
「さよなら」
先に店を出た。
涙がいっぱいこぼれて、走りながら涙が飛んでいくようだった。
大好きなあんみつをふたりで食べることが出来なかった。
一緒に店を出るのが怖かった。
また、別れたくないと言ってしまいそうで。
別れを決めた慶次郎には、これ以上言っても苦しめてしまうだけなんだ。
追いかけてきてくれることを期待していた自分に気付く。
振り向いて。
立ち止まり・・・・・・
誰もいないことを確認して、その場にしゃがみこんで泣いた。
追ってこない。
もうさよならなんだから。
本当にさよならなのだとしたら、最後に一緒にあんみつを食べたかった。
美味しいって言うあの慶次郎の顔が見たかった。