暗闇の中にいる私。
何か、隠してる。
竜は、私が寝た後に何処かへ行った。

蝶龍倉庫…。

涼介「少し、聞きたいことがあります。」

太陽「なんですか?」

涼介「希望は、本当に今まで、族に入ってなかったんですか?」

紫苑「と言いますと?」

竜「希望が、何か記憶を蘇らせようとしてた。必死に思い出そうとしてた。」

壮太「希望には、内緒にして下さい。希望は、あの頃、族に入っては、なかったです。でも、仮の姫ではありました。」

蒼斗「仮の姫って?」

紫苑「その当時の総長の彼女さんが、姫だったんです。姫の名前は、久宮 里花。」

涼介「えっ。」

太陽「多分、涼介のお姉さんです。里花さんは、ある日、突然、消えたんです。世界No.6の人質になってたみたいで。姫がいないと、ばれると、厄介だった、当時の総長は、希望を姫としてた。だけど。」

涼介「だけど、なんですか!?」

来也「希望も誘拐されかけた。間一髪の所で逃げたが、世界No.6は、当時不正行為での族だった。希望は、気づいてしまったんです。里花さんが、おとりで、世界No.6の人質になってたことを。蝶龍の総長に問い詰めても、答えてもらえなくて、希望は、蝶麗として、一人で乗り込んでいったんです。里花さんは、無事に助けられました。でも、希望は、鉄パイプなどで、頭を殴られ、三ヶ月もの間、目を覚まさなかったんです。」

雄也「もしかして、目が覚めた時って…。」

紫苑「記憶喪失です。医者はそのうち、思い出すかもしれないって。希望は、余計に闇にいってしまった。俺たちは、総長に、なんで、希望を一人で行かせたって、聞いたら、答えがこうだった。希望はな、光を持つことを許されないんだよ。それを、わからせるためだ。あと、全国No.1の龍王だっけ?そこに、俺の敵がいるから、邪魔されないため。あいつは、俺より強いから、潰す計画を壊されてしまう。って。」

類「その時の総長って?」

来也「俺の兄貴です。通り名は、白虎。」

竜「一回、舜の代に攻めに来た。丁度、希望がこっちにいた時期。」

壮太「希望がいたことで、白虎は、攻めるのを諦めたんです。でも、希望がこっちに戻って来た時、白虎からの一言。お前は産まれてきては、いけない人生だったんだよ。人の邪魔をして、お前を捨てたくなった、親の気持ちがわかるよって。」

蒼斗「そんな、酷すぎる。」

太陽「希望は、その言葉で自分を見失い、暴れた。白虎をボコボコにした。白虎は、その日から、一回も目が覚めていない。希望は、その記憶を消すために、というか、死ぬためにアゲハ蝶の屋上から、飛び降りた。まあ、3階からの高さだったから、死なずに済んだ。でも、ほとんどの記憶は失ってた。」

壮太「入院してた、病院で、希望は、ある一人の男に出会ったんだ。それが、門馬 竜。君だよ。」

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