私に舞い降りたいくつかの奇跡。
そんなお母さんだから、昼も夜も働いた。
いつ寝てるんだろうって思うくらい。
そしてお母さんの今の望みは、
私の進学なのである。
県内有数の進学高である、橘高校に入学すること。
「女の子だからこそ、しっかり勉強して、高校くらいは良いところにいきなさい」
お母さんの口癖だ。
だから、今さら志望校を変えるなんて、
私にできるわけがない。
「あーもぅっ!やるしかないもん!」
自分を鼓舞して机に向かった。