声が聴きたい
「すぐだ、いいね?」と念をおし、震えながら頷く和希を確認してから、玄関へ急ぐ。
カチャリ……「和は?!」開けた瞬間、靴を脱ぎ捨て上がり込む秀に「リビング……」と言うとすでにリビングへと入り込んでいた。
「和っ!」という大きな秀の声を聞きながらソファーに近づくと、和希の隣に座り込んだ秀が和希を横から抱き締めていた。
「う、わぁぁ~~、あぁ~~しゅ……うぅ……」秀に抱き締められ、箍が外れたように号泣しだした和希。
俺も、秀も、和希が落ち着くまで静かに待っていた。
15分も泣いていただろうか、ようやく、真っ赤な目を俺たちに向けてきた。
「かず、なにがあった?」秀は口元をゆっくりと動かしながら、尋ねた。
やはり、聴こえないのだろう、苦しそうに顔を歪めながら、ひとつ、深呼吸をした。
「で、んわ、が、あった……」
ゆっくりと話し出す和希。
「だれ、から?」俺が聞くと……
「……、っ……ぅ、う、みの、はは、お、や……」
その言葉を口にするのもイヤな様子で絞り出すように言われた言葉に驚きを隠せなかった。