存在
 でもいつも存は黙って聞いてくれる。

 『泣きたいなら泣いていいんだよ…。我慢しなくていいんだよ…。』

 って…。

 そんな存に私は甘えていた。

 彼は時々冗談混じりに、

 『そんな彼止めて俺にすればいいのに~。愛美も男見る目ないよなぁ~。』

 って言う。

 それが冷やかしではなく彼の本心なのを私はとっくに気が付いていた。

 なのに、聞かない振りしてズルい私。
< 9 / 51 >

この作品をシェア

pagetop