甘くて苦い彼。


二人に別れを告げ足早に教室を出ようとしたとき聞こえた一つの声。
またあいつか。



「おーい!何そこで、くつろいでんだよ!おばさん。

 
 はいはいはい、そこどけ」



遠くから箒の柄の部分で人のことを指しながら悪態をつく人が一人。



「はぁ〜、うるさいなぁ…相変わらず。
 分かったから退くから。


 てか智也(トモヤ)のほう誕生日早いんだしおじさんなのはそっち」



「そーすか、そうですか!!」



わざとらしく頬をふくらませて拗ねた顔をしていちいちアピールしてくる。

こんなとこは相変わらずだな。





「うん、そう!
 今日用事あるしさ。帰るから。バイバイ」



「え・・・ちょっ」




申し訳ないけど今は相手にしてる暇はない。

心の中でごめんと謝ると急ぎ足で教室からでた。





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