めぐる季節、また君と出逢う
16. 真冬そして初春

 『おはよう!昨日はどうもありがとう。何度も、何度も、何度も、何度も、思い出した。平賀が階段下りてくるとこ、平賀の手、平賀が伝えてくれたこと。平賀と映画観て、ご飯食べただけでもとても嬉しかったのに、平賀がちゃんと考えてくれるって言ってくれたこと、本当にとても嬉しかった。どんな答えでも、大丈夫だから。ゆっくり考えて。それで、もし、迷惑じゃなかったら、また、メールくらいはしてもいい?』

『返信とか、気にしないでいい。ただ、こうやってメールを打ってるだけでも、満足なんだよ。安いだろ?そっちは寒くないですか?風邪とか引かないで、明日も頑張って。おやすみなさい。』

『おすー!あんまり暇なんで、バイトでもしようかと思う。コンビニ、かな。手っ取り早いし。今日はこちらはすんごい寒かったよ。雪が降るのかなって思った。そっちはどうだった?無理しすぎないでね。おやすみなさい。』

『メリークリスマス!どんな空なんだろう。一緒に見てみたいよ。そういえば、平賀は高校の頃もよく空を見ていたな。俺が初めて平賀のこと気になった日も、平賀は空を見ていたんだよ。今日はコンビニとファーストフード、何件か連絡して面接の日時が決まりました。履歴書も書いたよ。疲れたりしてない?夜はゆっくり休めるの?また明日も頑張って。おやすみ!』

『別に病弱だなんて思ってない。ただ、どうしてるかな、元気かなって思ってるだけ。気を悪くした?ごめん。今日はどんな一日だった?俺はね、バイトが決まったよ。個人経営の小さな喫茶店なんだけど、バイト募集のチラシがあったから思い切って映画みたいに「表のビラを見たんですけど」って入って行ったら直ぐに面接してくれてすぐに決まったんだ。もっと、シフトとかで入るような軽いバイトがいいかなって思ってたけど、そこ、何となく詩土仁葦を思い出してさ。平賀と詩土仁葦でよく飲んだコーラフロート、美味かったな。また、行こう!バイト、明日からなんだ。頑張るよ。平賀も頑張って。おやすみなさい。』

『あの喫茶室にコーラフロートがあったのは知らなかった。この前はたぶん緊張しすぎてて気づかなかったんだな。我ながらカワイイな(笑) さて、今日はバイト初日で、バリスタエプロンに苦戦した。なんだあれ、長くてずるずるしてへんな感じだ。でも、コーヒーとか紅茶とか、いつも良い香りがする。ちなみに当店にコーラフロートはない!あー、疲れたよー。平賀、今日も空を見た?空を見るとき、ちゃんと暖かくしてる?風邪ひかないでね。←ほらまた、って言われそう。おやすみなさい。また、明日もがんばろうね。』

『平賀ー?空見てるかな。俺も今空を見てる。平賀が今空を見ててくれますように。』

『バイト、色々慣れてきた。バリスタエプロンにも慣れたみたいだ。今日、午後の休憩の時空を見て、平賀も空見てたらいいのにってすごい思った。なぁ、俺、ズルイな。ゆっくり考えてって言いながら、こうやって毎日メールして、迷ってる平賀をもっと迷わせてやろうと思ってるんだ。そんで、迷って、迷って、血迷って、俺の方選んでくれたらいいのに。そういうのは反則?メールするだけならいいよな、って思ってたけど、毎日メールして、平賀から返信くるとほんとにすごく嬉しくて、欲張りになって、こうやって気持ちを伝えたくなる。平賀、答えはいつでもいいから、どうせ平賀は知っているんだから、好きだって言うくらい、いい?』

『おはよ!ゴメン、昨夜は調子に乗りすぎた。昨晩のメールの事は、忘れてください。じゃなくて、忘れないで。というか、忘れないで欲しいけど、返事は要らない。今日も仕事頑張るよ。平賀も頑張ってー!!』

『今日は生まれて初めてコーヒー豆を挽いた!面白かったよ。平賀はどんな一日だったんだろう。』

『おはよ。今起きた・・・。心配させてごめん。心配してくれてありがとう。昨夜は急だったけどサークルの友人に誘われて忘年会に行ってきて少し酔ってた。メール書いたけど、むちゃくちゃだったから送信してなくて良かったよ(笑) 新年明けましておめでとう!もしかしたら、夜打っても、届かないかもしれないから先に打っておく!これから部屋の掃除でもします。』

『あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。心をこめて。羽田裕人』

『一日中テレビ見てボーっとしてた。新年から忙しいの?リゾートで新年を迎えるなんて、なんて贅沢なんだろうね。そんな大人になれるように頑張ろうぜ(笑) 明日は初詣でも行こうかな。平賀は初詣、行けないな?何か神様にことづけあったら伝えとくよ。裕人』

『そうだな、健康が一番。近所の神社に行って来たよ。なあ、知ってた?おみくじってね、その日の運勢だけなんだってね。俺、次に引くまでずっとなんだと思ってたよ。ちなみに小吉でした。可もなく不可もなく。俺らしいな。そっちはすごく寒そうだね。寒さに負けず元気で頑張ってね。俺も明日はバイトだよ。おやすみ!-裕人』

『今日からバイト。行って来ます! 裕人』

『今日はとても暇だった。コーヒーと紅茶のいれ方を教わったよ。今度、俺がいれたやつ、飲んでね。今日は月が見えます。スーパームーンみたいな月。そっちからも見えてるのかな。平賀も見ているのかもしれない、って思うから最近良く空を見ます。あと一週間で冬休みも終わるなあ。早く終わんねーかな。冬休みをこんなに長く感じたことってないよ。ほんとにもう!じゃ、おやすみなー! 裕人』

『今のところね、その予定です。学校始まったら学校の予定とかあるのでとは言ってあって、その辺は融通が利きそうです。平賀はあと6日で帰ってくるの?普段はこっちでバイトしてるの?雪か、すっげえ寒いんだろうな・・・。ではでは、おやすみなさい。 裕人』

『急がなくていいんだよ。このままでもいいくらいなんだ、本当に。本当に。』

『今日もお疲れ様!俺も今日もバイト頑張りました。今日はこれだけ。おやすみなさい。裕人』

『いや、特に意味があった訳じゃないよ。ただ、なんとなく。いつも同じこと、書いてるだろ?読むほうも飽きちゃうよな(笑) 俺は、飽きないよ!ぜんぜん!! 裕人』

『うーん。そう、確かにね、それもある。いよいよなんだって思うと、やっぱりね。そんなんで今日はなんか身が入らない一日でした。平賀はどんな一日だった?空を見た?美味しいご飯食べた?疲れすぎてない?風邪引いてない?明日も頑張れそう?おやすみなさい!裕人』

『おはよう!平賀が東京に戻るまであと3日。俺、わかった。もう遠慮する必要ねーよな?平賀、血迷ってよ。平賀、好きだよ。 裕人』

『平賀、平賀ー!空、青いよ。裕人』

『今日も元気でしたか?今日は東京は青空だったよ。今日も一日、平賀のこと好きだったよ。 裕人』

『おはようございます。平賀が帰ってくるまであと2日!酔っていません。これが今の俺。本当の俺。平賀のことずっと好きな男。裕人』

『フェアじゃなくてもいいや。どんな手だって使うと決めたぞ。平賀のことをずっと好きなのは、俺だよ。今付き合っている彼よりもずっと長く。だろ? 裕人』

『おはよー!平賀が帰ってくるまであと一日!!なぁ、何時の新幹線?裕人』

『風邪、引いたっぽい。今日は早く寝ます。平賀、心配して。少しだけでいいから。 裕人』

『平賀が帰ってくるから、気合でなおした。おはよ!日曜日はバイトなんだけど、月曜日は休みなんだ。平賀、会える?裕人』


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